宮本輝編集のアンソロジー(っていうのでしょうか)「魂がふるえるとき」読み終わった。特によかったのが永井荷風「ひかげの花」と樋口一葉「わかれ道」です。泣く。
考えてみれば多くの小説や映画や音楽や演劇や、そのほか何でも、作った人、関わったスタッフ、それでそれに触れて感銘うけて紹介した人、というか特にアートを特別に大好きでもなかった人、時々見た人、時々読んだ人、そうでもない人。テレビでかかる映画を見た人、ヒットチャートに登る歌を買う人、ラジオで聞く人、というか、人、ていうか人じゃないもの、多くの人や人じゃないものがもう死んでいる。僕は死んだことがない。生きている人は多分死んだことがない。たぶん。たぶんだけど。
でも僕はいま生きてて、ていうか今まで生きてきて、いろんなアートに触れた。カルチャーに触れた。噂話に。たんなる風景に。道端の石ころに。道端三姉妹に。
人は生きて、ていうか作品とか噂話は死んだ後も残るけど、人は生きて、誰かに何か影響を与え、影響され、いろいろつながって…。
うまく書けない。


あと今日は『中学生円山』みました。よかった。感動した。
映画もよかったが、もう一個感動したことがあります。
映画終わってロビーうろうろしてた時、次の回を待つ人の中に、中学生ぽい男とそのお父さんという二人組を見た。お父さんは、見たところ地味で堅実そうな、優しそうな人。おお、お父さんの男気よ。あるいは単にリサーチ不足なのかもしれないが、ああ。二人であの映画を。あの場面を。あの場面を。なんかいいなあと思いました。