自分の居心地悪さを解消するために誰かを笑い者にしたり傷付けたりしたら自己嫌悪にもっともっとなってたはずだ。もっと若かった時は。今は、まあそんなもんだと、良く言えばタフになったのだろうが、でも「自己嫌悪」っていう感情は無くしたくない。「自己嫌悪」は相当得意だったはずだ。
で、なんか、「ビジョン!!それはトクイです」という、花井カオルのセリフがあったはずだと探したら『お茶の間』1巻にあった。カオルはソノコの父親に会い、「苑子と結婚すれば君は娘の人生を預かるコトになる。そこで…君はどう生きたいんだね?君の将来のビジョンを知りたい」と聞かれ、勢いでこう口走るのだがその後が続かず、苑子の父が言う現実的な言葉の数々を、ながながと聞くことになる。ぼくの記憶の中には、「ビジョン!それはトクイです」というセリフのみが強く在ったから、自分が自己嫌悪したときは、「自己嫌悪!それはトクイです」と、心の義父にとりあえず言う癖がいつの頃からかついている。未来の義父に、自己嫌悪について訊かれたら、それは自信を持ってそう答えられるだろう。でも今回の確認により、花井カオルは、「ビジョン!それはトクイです」の後がグダグタであったとわかった。